【美術館巡り】石坡亭ソウル美術館(석파정 서울미술관)

最終更新: 2019年9月18日


最近、ソウルにある美術館を巡ろう!企画を計画し、その第一弾として「石坡亭(ソクパジョン)ソウル美術館」へ行ってきました。



ソウル北部の付岩洞(プアムドン)に位置するソウル美術館は、2012年にオープンして以来、新たな文化を創り出す国際文化都市としてのソウルをより鮮明な色彩で表現する、文化的空間を提供しています。


同美術館は、何よりも「鑑賞する者が創造者になる美術館」を目指しているとのこと。

美術館と専門家の権利を向上させるための情報を、来客者が受動的に受け取るような場所ではなく、「自らが鑑賞の主体になり、創造的に芸術を楽しむ」空間になるよう努めているそうです。


本館であるM1と新館であるM2(2019年オープン)があり、開館時間はM1が10:00~18:00、M2が11:00~17:00となっています。

チケットは大人が11,000ウォン(石坡亭の観覧も可)で、一度購入するとその月は何度でも入場が可能です(月の最終日にチケットを購入すると、その日しか使えないので要注意)。




<안봐도사는데 지장없는전시: UNNECESSARY EXHIBITION IN LIFE>


ソウル美術館は毎年異なるテーマを掲げ、韓国および世界の現代美術を展示しています。


2019年は「생활의 발견(生活の発見)」というテーマの下、日常の中にある芸術を探求しているそうです。



『안봐도사는데 지장없는전시(別に観なくても生きていける、支障ない展示): Unnecessary Exhibition in Life』は同テーマ最初のプロジェクトです。


1日24時間の間に、意味なく通り過ぎていく瞬間、瞬間が芸術の視点からどのような意味を付与することができるのか、そして、それらが私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか、国内外の芸術家21チームにより、視覚的に再現されています。


思っていたよりも結構楽しかったです。


一日の流れを切り取り、その時間帯の人々の生活を芸術で表現しています。

21チームということもあり、作品の数も多かったなという印象です。



じっくりと解説を読みながら、一つ一つの作品を観て、またにクスッと笑って観たりして……。



朝のラッシュを描いた作品。

絵なので人の動きは止まって描かれているものの、確かにそこには動きと騒音がありました。

今にも動き出しそうな人々が、感情なく無機質に、ただ流れる小川のように目的地へと進んで行くように見えました。


とある待ち合わせ場所を再現した作品では、鑑賞する自分もその作品の一部として人間観察をしているかのような感覚になりました。

本を読む人、遠くを見つめている人。

偶然同じ場所に集まった全く知らない人同士ですが、朝のラッシュの作品とは違い、どこか、一人一人が持つ個性と人生までが見えるような気がしました。


毎日の一言日記を書いた付箋を用いて創られた作品がありました。

一つ一つゆっくり見ていくと2月14日のメモには、「最近虫歯治療を終えたばかりの自分を気づかって、みんなチョコをくれなかったのを知ってるよ」(みたいな文章)と。


ぷぷっ。



日々の生活が芸術になると、芸術がより身近になるなと思いました。

理解しやすく、想像しやすい。

忘れてしまっていた昔の感情が、静かにひょこっと顔を出したりして。


瞬間、時間の流れ、個人、人々、関係、変化、行動、言葉、感情、音、自然、振動、響き、、、、ふんわりと、いろんなものが優しく含まれた空間がありました。





<하비에르마틴 Javier Martin: 보이지 않는, Blindness>


今年のソウル美術館は開館7周年を記念して、「2019 보더리스 아티스트 프로젝트(ボーダレス・アーティストプロジェクト): Borderless Artist Project」も開催しています。


同プロジェクトでは、独創的な個性を持つ未来ある若い芸術家達の作品を通して、終わることなく変容していく現代美術の流れを感じ、多様な芸術的価値を新たに確認することに重きを置いています。


そして、そのテーマを基に4月から展示しているのが「하비에르마틴 Javier Martin: 보이지 않는 (見えることのない), Blindness 」です。


アメリカ、ヨーロッパ、アジアで活躍するスペインの芸術家、ハビエル・マーティンは小さい頃からその才能を存分に発揮し、初めて個展を開いたのは8歳の時だったそうです。

しかし、芸術家としてさらに成長するため、既存の概念・形式を拒否し、ひたすら「自身の経験を基にした芸術家」として変貌を遂げてきました。

ヨーロッパ、香港、アメリカ、韓国など世界各地で活動しながら、様々な材料の可能性を探求、それぞれの材料が持つ形態を活かした鋭い視点のメタファー(隠喩)を生み出しています。


先ほどの日々の生活をテーマにした作品とは違い、素人である私には理解が難しかったです。

うん、現代美術だな、という感じ。


「鋭い視点のメタファー」という言葉通り、作品には強いメッセージ性があるので、それを理解するのに頭を使いました。


解説なしでは、なかなか難しい作品です。


ただ、やはり作品には作者の感情が載っているように感じました。

社会に対する強い感情、、、怒りや憤りが確かにそこには存在し、ちょっと怖いなと感じたこともあったりなかったり。


ま、芸術ですな。



ソウル美術館には、上記二つのプロジェクト以外の作品もあります。


また展示物が変わったら、遊びに行こうっと。





石坡亭(ソクパジョン)


<石坡亭:ソウル市有形文化財第26号>

美術館の敷地内には、石坡亭(ソクパジョン)と呼ばれる建物もあります。

というか、石坡亭の敷地に美術館を建てた、といったほうが正しいのかな。


石坡亭は朝鮮時代(1392〜1910)の王朝末期に興宣大院君(フンソン・テウォングン)が使っていた別荘で、ソウル市有形文化財第26号に登録されています。


入場するにはチケットが必要で、美術館のチケットで11:00〜17:00まで観覧可能です。










石坡亭以外にも、庭園や興宣大院君が使っていた韓屋もあり、軽い散歩にはとても良いです。


ただ、あっつい日は避けたほうが無難かも。


秋は紅葉、冬は雪景色でまた違った美しさがあるだろうなと感じさせる場所でした。




【参考サイト】

ソウル美術館ホームページ

コネスト(「ソウル美術館」)


作者: 昌

​韓国に来て早10年以上。いつかは仏様を描きながら世界中を旅するのが夢

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